ABOUT特撮研究所について

「巨神兵東京に現わる」(© 2012 Studio Ghibli)制作風景

ABOUT US特撮研究所とは

特撮研究所には、映像制作において多様な特殊撮影を担う映像の専門家が在籍しています。会社創立から通常の撮影では再現不可能なシーンを具現化するための撮影手法、ミニチュア操演、各種素材による特殊効果などの技術を研究・駆使して迫力に満ちた映像を提供してきました。2005年には現在の映像制作に欠かすことができないデジタル部を社内に創設。伝統の特撮の技法とデジタル技術を一社で提供できる体制となりました。

01 / 特撮研究所の成り立ち

1965年当時、東映株式会社様と専属契約をしていた矢島信男が創立しました。それは特撮TV番組を中心とした「第一次怪獣ブーム」と呼ばれる社会現象が起きる前夜のことでした。

以来、特撮研究所は特撮ヒーロー作品を中心に数多くの映像作品制作に携わっております。

02 / 特撮研究所の独自性

特撮研究所には映像制作に関する5つの部門、演出部、撮影部、美術部、操演部、デジタル部があります。各部には専門のスタッフが常駐し、ディレクションを行っています。伝統的な技法を活かした特撮は今も魅力ある映像に仕上がります。

しかし必要な機材の見極めや実演には、経験に基づいた判断ができる専門家が欠かせません。一方でリアルさを求める映像表現やプリビズ、ポストプロダクションの作業ではデジタルの活用は必須です。

私たちは少人数の会社ではありますが、だからこそ各部門のスタッフが意志疎通を迅速に行って連携、求める映像に適した効率のよい撮影スタイルを選択・構築することにこだわりを持っています。アナログとデジタル、両方から映像完成へのアプローチが可能なことこそが、私たちの独自性なのだと自負しております。

03 / 実績と信頼

1作目『秘密戦隊ゴレンジャー』から今も歴史を重ね続けているスーパー戦隊シリーズ、石ノ森章太郎先生が生み出した仮面ライダーシリーズなどを筆頭に、今も数多くの東映特撮ヒーロー作品で特撮パートを担当しております。庵野秀明監督作品の『シン・ゴジラ』、樋口真嗣監督作品の『シン・ウルトラマン』などにもスタッフを積極的に派遣しております。

スタッフとして参加した作品数は300タイトルを優に超えます。その実績と信頼は私たちの誇りです。「特撮研究所」という名前をご存じではなくても、私たちが制作した映像を目にしたことがある方も多いのでは。

『スーパー戦闘 純烈ジャー 追い焚き☆御免』:©2022東映ビデオ

04 / 特撮の全行程を一手に

特撮研究所は、映像制作に関する行程を一社で管理することができます。東映ビデオ株式会社様からの受注した劇場公開作品『スーパー戦闘 純烈ジャー』『同 追い焚き☆御免』では、制作進行、ラインプロデュースなども含めて特撮研究所のスタッフが中心となり、招聘した外部スタッフと連携して制作いたしました。

“技術を開発して使うのは人間、人こそが財産である”という創立者の言葉を矜持として活動してきた歴史があったからこそ、外部の才能あるクリエイター様、業務提携している各社様から協力を得られているのだと考えております。

『スーパー戦闘 純烈ジャー』:©2021東映ビデオ

AWARDS特撮研究所の主な受賞歴

1998年 第21回 日本アカデミー賞 協会特別賞 特撮監督:佛田 洋、特殊映像技術スタッフ 受賞作品『北京原人 Who are you?』
2004年 第49回 アジア太平洋映画祭 視覚効果賞 特撮監督 佛田洋 受賞作品『デビルマン』
2006年 第6回 Science of Gender 特別賞 特殊技術統括/監督補:尾上克郎 受賞作品『日本沈没』
2007年 1st アジア・フィルムアワード 視覚効果賞・優秀賞 特殊技術統括/監督補:尾上克郎 受賞作品『日本沈没』
2013年 VFX-JAPANアワード2013 CM、博展映像部門 最優秀作品 監督補/特殊技術統括:尾上克郎 受賞作品『巨神兵東京に現わる』
7th アジア・フィルム・アワード 視覚効果賞・優秀賞 第2班監督/特撮監督・尾上克郎 受賞作品『のぼうの城』
第1回 ジャパンアクションアワード 特別アクション功労賞 特撮監督 佛田洋
2016年 10th アジア・フィルム・アワード 視覚効果賞・優秀賞 特殊技術統括:尾上克郎 受賞作品『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』
2017年 第37回 日本SF大賞 特別賞 准監督/特技統括:尾上克郎 受賞作品『シン・ゴジラ』
2019年 13th アジア・フィルム・アワード 視覚効果賞・優秀賞 特撮監督:尾上克郎 受賞作品『パンク侍、斬られて候』
2023年 第46回 日本アカデミー賞 最優秀撮影賞 撮影:鈴木啓造 受賞作品『シン・ウルトラマン』

BUSINESS SCOPE特撮研究所の業務範囲

特撮研究所の業務を紹介します。映像制作に関する業務全般を請け負えるのはもちろん、クライアントが求める各部門のスタッフをディレクターとして個別に派遣する案件にも対応しております。

01 / 企画・プロデュース

ご依頼に即した特撮映像の企画を提案させていただきます。映像化を希望される規模・予算に合わせた特撮の方法や撮影方式を柔軟に選択・構築し、特撮研究所のノウハウを活かした映像・作品をプロデュースいたします。

02 / 監督

特撮研究所には経験豊かな監督・特撮監督がおります。映像業界内でも特撮監督としての実績が豊富なクリエイターは決して多くおりません。数多の作品で経験を積み上げた演出部の監督陣が、撮影スタッフの選定、演出など映像全般をディレクションいたします。

03 / 特殊撮影

特殊撮影とは、特殊な機器や装置、技法を駆使してイメージを映像化することと、私たちは捉えています。カメラマンが撮影ディレクターを兼任し、監督・特撮監督の要求に沿う形で特殊技術、CG、美術、操演などの各セクションと連携して撮影をコントロールします。

04 / 撮影

特撮においてミニチュアやスーツを巨大に見せる、実在するかのように見せる際に大切なのが、経験から導き出された撮影技術です。撮影するアングル、選択するレンズ、被写体までの距離、撮影スピードの決定等を撮影部が担います。一方で私たちの撮影技術は特撮に限らず、ドラマ本編の撮影にも効果を発揮します。高精細LEDウォールを完備した最新のスタジオやモーションキャプチャー技術を持つスタジオでの撮影経験も豊富で、各種スタジオ様とのコーディネイトも承ります。

05 / 特殊技術素材・リファレンス

近年、CG制作の現場で活用されているのが“リファレンス”と呼ばれる素材撮影です。実在しているミニチュアや物体を参考素材として撮影することで、CG制作の作業効率向上が望めます。株式会社カラー様のアニメ作品『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で“特殊技術素材・パネル美術撮影”とスタッフロールにクレジットされているのは、私たちがリファレンスを手がけていたからです。

06 / CG・VFX

デジタル部では、現場に存在しない被写体のCGモデリング、モーションキャプチャによるアニメーション作業、実撮影した映像にVFX(視覚効果)を加えるポストプロダクション作業を行います。専門家であるCG/VFXディレクターを派遣することも可能です。

07 / 特撮美術

撮影する舞台となる特撮セットは美術部が担当します。作品全体のスケジュールと予算を踏まえた上で、必要とされるセットプランの構築や構造物の図面作成、ミニチュアそのものの制作、背景画などの発注を行います。効果的でスピーディーなセットの「飾り込み」は、私たちが得意とするところです。

08 / 操演・特殊効果

操演部は仕掛けを用いてメカなどのミニチュアを操作して動かす、スモークや火薬に代表される特殊な演出効果の役割を担います。特撮ファンには馴染み深いピアノ線による「吊り」や爆破による「壊し」など、“特撮”という言葉から連想されるイメージの中核を担う、伝統的なセクションです。現在では伝統的な仕掛けに加えて、電子制御を用いた機械仕掛けも行います。